堅実派のための高金利な銀行口座を簡単に比較・検索

変動10年が1.10%に上昇、1年定期は1.00%維持で好環境【預金ナビ通信 2025年11月号】

2025年11月は、安全資産まわりの金利がじわりと底上げされています。個人向け国債変動10年は10月募集分の1.08%から、11月募集分で1.10%へ再び上昇。一方で、1年もの定期預金はUI銀行を中心に年1.00%が維持されつつ、0.8%台の選択肢もじわじわ増加中です。普通預金は0.50%帯が引き続き主役で、大きな変化はないものの高水準をキープしています。

今月は「変動10年1.10%」「1年定期1.00%」「普通預金0.50%」という三本柱を前提に、11月10日の金利水準をもとに堅実派向けの最新動向をダイジェストでお伝えします!

普通預金は0.50%帯が引き続き主役

まずは普通預金です。条件なしで誰でも使いやすい普通預金では、今月も島根銀行スマートフォン支店と、あおぞら銀行BANK支店、Habitto(GMOあおぞらネット銀行ハビト支店)の「年0.50%」トリオがトップ水準を維持しています。あおぞらBANKとHabittoは100万円までが年0.50%、超過部分はそれぞれ0.35%・0.20%となる点が重要です。

順位 銀行 金利(年・税引前) 重要事項
1 島根銀行 スマートフォン支店 0.50% 上限記載なし(普通預金・変動金利)
1 あおぞら銀行 BANK支店 0.50% 100万円まで0.50%、超過部分0.35%
1 Habitto(GMOあおぞらネット銀行) 0.50% 100万円まで0.50%、超過部分0.20%
4 SBI新生銀行(SBIハイパー預金) 0.42% SBI証券との連携必須(預金保険対象の円普通預金)
5 MATSUI Bank(住信SBIネット銀行 マツイ支店) 0.41% 条件なしで利用可能

10月号から顔ぶれ・水準ともに大きな変化はなく、0.50%帯の3行が横一線でトップ、その直下にSBIハイパー預金(0.42%)、MATSUI Bank(0.41%)が続く構図が定着しています。新顔としては、SBI FXトレードNEOBANKの普通預金が年0.40%と高水準を維持しており、0.4%台の層も厚くなってきました。

一方で、東京スター銀行は給与受取やNISA+投信購入などの条件を満たすと普通預金金利が最大0.60%まで上がるプログラムを提供していますが、給与振込や投資商品の購入など追加の行動・出費が前提となるため、本ランキングからは除外しています。同様に、auじぶん銀行の優遇プログラムやSBI新生銀行のステージ別優遇も「条件付き」として参考扱いにとどめるのが堅実派には良さそうです。

他の銀行も含めた最新情報を詳しく見ていきたい方は、預金ナビが提供する「オススメ普通預金口座シミュレーター」がオススメです。自分が許容できる条件を入力すると自分に最適な銀行が分かるので、是非試してみてください。

オススメ普通預金口座シミュレーターを開く

1年定期はUI銀行1.00%とネット支店勢が軸

次に1年もの定期預金です。11月時点でも、UI銀行の1年定期(スーパー定期)が年1.00%(大口は1.05%)とトップ水準を維持しています。とくぎんネット支店(徳島大正銀行)の「ネット支店スーパーとくとく定期預金」も1年もので年1.00%ですが、おひとりさま100万円が上限という点が重要です(100万円を超える部分は0.80%の「とくとく定期預金」が適用)。

順位 銀行 金利(年・税引前) 重要事項
1 UI銀行 1.00%(大口1.05%) 1,000万円未満1.00%、1,000万円以上1.05%
1 徳島大正銀行 とくぎんネット支店 1.00% ネット支店スーパーとくとく定期預金、1人100万円まで(超過分は0.80%)
3 オリックス銀行(eダイレクト定期預金) 0.85% インターネット専用、預入金額・地域の大きな制限なし
4 東京スター銀行 スターワン円定期預金プラス特別金利 0.75% インターネットバンキング専用特別金利、50万円以上。新規口座限定プランとは別枠
5 あおぞら銀行 BANK支店(BANK The定期) 0.65% 1年もの、50万円以上。普通預金0.50%との組み合わせも有力

10月号と比較すると、UI銀行・とくぎんネット支店・オリックス銀行・東京スター銀行・あおぞら銀行の並びに大きな変化はない状態です。全体として「1年もの1.00%前後」「0.8%台」のラインが厚くなり、地方銀行やネット銀行同士の競争が続いている印象です。

より詳細な比較や最新情報を見たい方は、預金ナビの提供する「高金利な定期預金口座シミュレーター」でチェックできます。預け入れる金額を入れると自分がもらえる金利の金額で分かって便利なので、是非ご活用ください。

高金利な定期預金口座シミュレーターを開く

個人向け国債変動10年は1.10%に上昇

最後に個人向け国債変動10年です。2025年11月募集分(第188回債)の初回利率は年1.10%と発表され、10月募集(第187回債)の1.08%からさらに+0.02ポイントの上昇となりました。ここ半年ほどで、変動10年は1%台前半までしっかりと乗せてきており、低リスク資産の中でも存在感が一段と高まっています。

変動10年は基準となる10年国債利回りに連動して、半年ごとに適用利率が見直される仕組みです。金利上昇局面では普通預金や定期預金よりもスピーディーに水準を引き上げやすく、元本保証・途中換金可(直近2回分利子の一定割合が差し引かれる仕組み)であることから、「中期〜長期で使い道がまだ決まっていない資金」の置き場として相性がよい商品といえます。

10月号時点では「変動10年1.08%:1年定期1.00%:普通預金0.50%」という関係でしたが、11月は変動10年が1.10%へ一歩抜け出したかたちです。預金だけでなく、変動10年も組み合わせることで、金利上昇の恩恵をより受け取りやすいポートフォリオが作りやすくなってきました。

最新の金利推移をグラフで見たい方は、以下のリンクよりどうぞ。

個人向け国債変動10年の利率の推移を詳しく見る

まとめ

2025年11月の金利動向は、「変動10年1.10%」「1年定期1.00%」「普通預金0.50%」という三本柱が引き続き明確になった月でした。基本線としては、まず個人向け国債変動10年で中期資金を確保しつつ、1年もの高金利定期でボーナスや余裕資金を運用し、生活費や急な出費に備える資金は0.50%台の普通預金口座に置いておく、という組み合わせが堅実派には有力な選択肢になりそうです。

それぞれの商品の最新条件は必ず公式サイトで確認しつつ、「流動性の高い普通預金」「満期で利回りが決まる定期預金」「半年ごとに見直される個人向け国債変動10年」をバランスよく組み合わせることで、「投資リスクは取りたくないけれど、お金はきちんと増やしたい」という悩みを少しずつ解消していきましょう。

他の記事も見てみませんか?