50代から始める元本保証の資産運用法 ~リスクを避けて堅実に資産を増やす方法~
50代に差し掛かると、老後の生活資金や退職金の運用について真剣に考える時期です。資産を増やしたいけれど、大きなリスクを取りたくないという方も多いでしょう。
本記事では、リスクを避けつつ元本を守りながら堅実に資産を増やすための運用方法について詳しく解説します。特に「元本保証」の資産運用を中心に、具体的な方法やおすすめ商品についてお伝えします。
目次
元本保証の資産運用とは?
元本保証の資産運用とは、運用しても資産の元本が減ることなく、リスクを最小限に抑えることを目指す運用方法です。特に50代以上の方にとって、失敗によって資産が減ってしまうのは避けたいリスクです。
例えば新NISAで一躍有名になったeMAXIS Slim米国株式(S&P500)やeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)などの投資信託は、長期的なパフォーマンスが非常に優れていて人気ではあるものの、短期では暴落のリスクがあります。過去のデータを見ても、確実に収益を出すには15年以上の保有が必要とされています。
いざ売却して換金しようとしたときに暴落していたら、目も当てられませんよね。
そのため、老後を控えた50代の方にとっては、投資信託のようなリスク資産を売却する出口戦略を考えつつ、元本保証型の資産運用で老後資金を守りつつ少しでも利回りを得たいと考える人が増えてきます。
元本保証の資産運用方法の種類
元本保証の資産運用にはいくつかの種類があります。以下では、代表的なものについてご紹介します。
- 普通預金:いつでも自由に引き出せる預金であり、元本が保証されることが最大の特徴です。特に高金利の普通預金口座を選ぶことで、リスクを取らずに安定的に利息を得ることが可能です。緊急時のための資金や生活費の管理にも非常に有効です。
- 定期預金:銀行に一定期間預け入れることで利息を得る方法です。期間内は引き出せませんが、金利は固定されており、一般的に普通預金より高い金利です。もちろん元本は保証されます。
- 個人向け国債:日本政府が発行する債券で、元本保証がされています。特に「変動10年型」は金利変動に対応しながらも元本が守られるため、老後の資産運用に適しています。
- 財形貯蓄:企業が従業員向けに提供する貯蓄制度です。税金面での優遇があり、元本保証もされているため、定年退職を控えた人におすすめです。
押さえるべき0.3%台の高金利な普通預金トレンド
元本保証を前提とした運用では、普通預金口座の金利が重要なポイントとなります。というのも、いつでも引き出せる普通預金が高金利であれば、お金を引き出すことに制約のある定期預金や国債、財形貯蓄などに投資する価値が薄れるからです。
最近では、普通預金の金利も上昇しており、0.3%以上の高金利を提供する普通預金も登場しています。リスクを取らずに資産を増やすうえで、普通預金口座の価値がますます高まっています。
例えば、島根銀行スマートフォン支店では普通預金の金利が無条件で0.35%に設定されており、銀行の中でもトップクラスの数字です。また、証券会社との連携など金利優遇プログラムの条件を満たす場合、MATSUI Bank(住信SBIネット銀行 マツイ支店)で0.31%、auじぶん銀行でも0.31%、SBI新生銀行で0.30%といった0.3%大の高金利な普通預金が増えてきています。
これらの高金利の普通預金を活用することで、元本を守りながらも効率的に資産を増やすことが可能です。(※2024年10月10日当時の情報です。)
金利が高い銀行を探す手間を省くために、預金ナビでは「オススメ普通預金口座シミュレーター」を提供しています。このシミュレーターを活用することで、自分に最適な高金利の銀行を簡単に見つけることができます。堅実な資産運用をしたい方には非常に便利なツールですので、ぜひお試しください。
普通預金、定期預金、個人向け国債の違い
元本保証型の資産運用としてよく取り上げられる「普通預金」、「定期預金」、そして「個人向け国債」ですが、それぞれに特徴があります。どれを選ぶべきかについても解説します。
普通預金のメリットとデメリット
普通預金は、いつでも自由に資金を引き出せるという点が最大のメリットです。また、最近は「高金利普通預金」という特別な条件を満たせば高い利率を受け取れる口座も増えてきています。特に家計管理をしやすくするために、生活資金や緊急時のための資金を普通預金で保管するのは非常に有効です。
一方で、高金利とは言えど定期預金や個人向け国債と比べると金利が低くなる傾向にあります。緊急時のお金はどれくらい必要かを考えて、預金額を決める必要があります。
普通預金の緊急予備資金の考え方や金利計算方法について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参照してください。
定期預金のメリットとデメリット
定期預金は、一度預けた資金を決められた期間引き出さずに保管することで、通常の普通預金よりも高い金利を受け取れるというメリットがあります。しかし、期間中に資金を自由に引き出せないという制約があるため、短期的な資金の柔軟性は低いです。
例えば、急な出費が予想される場合には、普通預金の方が適しているでしょう。一方、生活資金としての必要性がない資金に関しては、定期預金でしっかりと金利を稼ぐのが得策です。
個人向け国債の特徴とメリット・デメリット(変動10年型)
個人向け国債は、国が発行する債券であり、元本保証があることから非常に安全性の高い投資手段です。その中でも「変動10年型個人向け国債」は、金利が市場金利に応じて半年ごとに見直されるため、金利変動に対応した利率を期待することができます。
変動10年型のメリットは、金利が将来上昇した場合にそれに連動して利率も上がる点です。また、最低金利(年0.05%)が保証されているため、金利が下がった場合でも最低限の利息を受け取ることができます。加えて、発行から1年間は中途換金ができませんが、それ以降はいつでも換金可能であり、流動性の面でも比較的柔軟性があります。
一方で、デメリットとしては、金利が低い場合にはリターンがほとんど得られないことや、初期の1年間は資金を引き出せない点が挙げられます。また、定期預金などに比べると、利率が見劣りする場合もあるため、短期間での利益を求める方には不向きです。
どの貯蓄方法を選ぶべきか
- 普通預金:いつでも資金を引き出せる柔軟性が必要な場合や、緊急資金として利用したい場合に有効です。
- 定期預金:中長期的に使う予定がない資金を高金利で運用したい場合に適しています。
- 個人向け国債(変動10年型):安全性を重視し、将来の金利上昇に備えたい場合や、元本保証とある程度の流動性を求める場合に適しています。特に中長期的な資産運用を考えている場合には、個人向け国債の利点を活かせるでしょう。
自分のライフスタイルや資金の使い道に合わせて、これらの預金方法をうまく組み合わせることが重要です。
資産を守るための分散運用も検討する
元本保証型の資産運用でも、複数の商品に分けて資産を保管することでリスクを分散させることが可能です。特に預金保険制度をうまく活用することで、リスクを最小限に抑えることができます。
預金保険制度について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参照してください。
緊急予備資金を確保するための普通預金の活用
退職を迎える50代では、急な支出に備えて「緊急予備資金」を確保しておくことが非常に重要です。このためには、普通預金を活用するのが最も安全で便利な方法です。必要なときにすぐに引き出せ、かつ高金利を得られる口座を選ぶことがポイントです。
健康リスクと資産運用の計画
50代に差し掛かると、健康面での不確定要素も無視できません。突然の病気やけが、あるいは長期的な介護の必要性など、健康リスクに備えることが非常に重要です。これに対応するためには、予期せぬ医療費や介護費に備えるための「緊急予備資金」を用意しておくことが不可欠です。
こうした健康リスクに備えるためには、普通預金を活用するのが賢明です。普通預金ならば、必要なときにすぐに引き出せる上、元本保証もあるため、医療費や介護費に備えた資金の管理に最適です。また、高金利の普通預金口座を選ぶことで、緊急時に備えた資金も少しずつ利息で増やすことができるのも大きなメリットです。
健康リスクに備えつつ、老後に安心して過ごすためには、普段からこうした資金計画を立てておくことが非常に大切です。
普通預金の口座にはいくらあればよいか、またどのように高金利な銀行を選ぶべきかについては、以下の記事を参照してください。
まとめ:50代から始める元本保証の資産運用で安定した生活を目指そう
50代からの資産運用においては、リスクを避けつつ安定的に資産を増やすことが重要です。定期預金や普通預金、個人向け国債などの元本保証型の運用方法を上手に活用し、高金利の普通預金を選ぶことが老後の不安を減らす鍵となります。
特に普通預金は、流動性が高くいつでも必要なときに資金を引き出せるため、老後の緊急時の備えとして最適です。また、最近は高金利の普通預金が増えているため、効率的に利息を得ることも可能です。預金ナビが提供する「オススメ普通預金口座シミュレーター」を使えば、自分に合った最適な普通預金口座を簡単に見つけることができます。
今からでも遅くありません。リスクを取らない堅実な資産運用で、豊かな老後生活に備えましょう。